李登輝元総統が逝った。
いつかこの日が来ると思っていたが、やっぱり来た。
必ず人は死ぬと分かっているのに、やっぱり残念だと
思う人がいる。
全世界の政治家の中で、唯一、尊敬できるのが
李登輝だった。
李登輝の頭の良さと胆力は尋常ではないし、圧倒的
なスケール感を持ちながら、恐ろしく繊細だった。
台湾の民主化は李登輝がいなければ成らなかった。
李登輝に巧みに操られて『台湾論』を描いたが、
台湾でベストセラーになり、若者に真の台湾の歴史を
伝えたために、焚書騒ぎになり、わしは入国禁止に
なった。
だが、そのおかげで台湾の若者に、台湾アイデンティティー
を芽生えさせる一助になったと自負している。
自己を育てるためにはどうしても胆力がいる。
隠さねばならぬ真意を伝達するために、相手を信じる
誠実さも要る。
李登輝は凄かった。この評価は変わらない。